失業添乗員の珍道中録

添乗員からOLへ、再デビュー日記。

失業添乗員の珍道中録改め、日本のOL生活で発見したあれこれを、気ままに綴ります。

スーツケースが行方不明。

真夏のスイスツアー。

 

乗継便の為1個ロストバゲージになってしまいました。

空港で手続きをしホテルで1泊。

 

翌朝ホテルフロントから

「荷物がみつかったので、本日宿泊のホテルに送ると航空会社から今朝電話があった」と言われお客様へご報告。

 

この日は3000m級の山へ。

お友達のお洋服を重ね着しながらなんとかしのいで頂きました。

 

その日の22:45、ホテルフロントから荷物が届いたとの連絡を受け、お客様と行ってみると・・・違う旅行会社のタッグのついた荷物が。

 

でも、クレームタッグの番号は合っている。

どういうこと???

お客様が空港で荷物を預けた時の記憶を辿ると・・・

空港係員がおしゃべりしながらタッグをつけていたので、別の方の荷物とすり替わってしまったのではないかと。

 

という事は、当社のタッグをつけた荷物が到着して同じように困っている方がいる。

 

ふりだしに戻ってしまいました。

 

日本を出発してしまうと、現地で対応が常ですが、今回は明らかに航空会社の凡ミス。

なので日本側からの助けをもらいながら、ツアー続行。

 

荷物のありかがわかったものの、どこで受け取るかが問題。 

連泊のないツアーで毎日毎日移動移動。

 

ご当人は日に日にご機嫌が斜めから更に傾いてしまい、

「添乗員の対応が悪い」

「誠意が見られない」

「荷物が出てこなくてざまあみろと思っているのではないか」

とお叱りを受ける始末。

 

まだこの頃は添乗員は携帯電話を持っていなかったので、全く仕事を

していないように見えたのかもしれません。

実際は、ドライバーやホテルのスタッフにも協力してもらって、時間があれば

電話をしていたのですが。

 

はっきり言って、ロストバゲージがあると通常業務がおろそかに・・・

とは言わないまでもかなり憂鬱になります。

頭を占める割合が半分以上になり、仕事が増えた気分です。

(実際その通り)

 

結局

「今晩のホテルに届く予定」と言い続け無事に届いたのが

帰国日前日23:15。

 

フロントへ取りに行き、そのままお客様のお部屋へ運びました。

ご当人はお風呂に入っていた為、お友達が出てきてくれたのですが、

スーツケースを見た瞬間、

 

「これのおかげで・・・・・」

「これさえ出てきてくれれば、添乗員さんも怒られなくて済んだのに」

 

と二人で泣きました。

 

翌朝、ご当人は晴れ晴れとしたご様子で、やっと笑顔を見られました。

 

そしてお別れの際、お詫びして下さいました。

 

「あたるところがなかったので、ひどいこと言ってすみませんでした。

みんなが楽しそうに旅をしてるのが本当に悲しくて」と。

 

この一言で救われましたが、不可抗力のロストバゲージ

 

何とかならないものでしょうか・・・